FFTとベイグラントストーリーとFF12:20161007(20060714)

001 変則的三部作

 今回のコラムは自分の思いいれと思いこみが加速して語る「FFTとベイグラントストーリーとFF12」。FFでロト伝説(ドラクエI〜III)みたいなのをやってみるのもいいよねという話が開発時に出ていたそうですが(ソース忘れた…)、フタを開けてみたら確かにこの三本はロト伝説よりも儚くも細い糸でしかししっかり繋がれた「三部作」でした。FFT-Aも含めると本当は四部作なのかもしれませんが、FFT-Aは他の三作品に比べるとやはり外伝的要素が異次元世界巻き込まれな分だけ強いといえます。それも踏まえて語っていきましょう。

 まず、変則的と書いてみましたが、これは「FFという枠」で語るならば変則的ということ。FFTはFFのいわゆるナンバリングには(一応)入ってませんし、ベイグラントストーリーにはFF的要素はほぼありません。ただし、松野氏がスクウェア(スクエニ)で関わった作品でいえばこれらは見えない糸のような繋がりと小さいネタで彩られた繋がりがあったりするので、それぞれの作品が全然違うものであるとも言い切れない不思議な構成になっています。要するにいわゆる「続編」ものではありません。それぞれがひとつの作品としてどこにも寄りかからず独立しているのは間違いなく、しかし歴史の隅をつつくように想像してみると「もしかすると」と繋げることもできうる。そうして繋げていく時代こそが「FFT-A」だったりするのかもしれませんが……。さてはて??? まあこんな考え方もあるということで軽い気持ちでお読みいただければと思います。

002 時代順に並べてみるならば?

 それではこれらの作品を実際に比較していくことにしましょう。ロト伝説と比較することもあるかもしれませんが、形式こそロト伝説と似ている部分もあるかもしれませんが、内容そのものは勿論違います。まずそのことを念頭において考えていくことにします。

 FFTことファイナルファンタジータクティクスは、1997年06月発売のSRPGです。旧スクウェアで出されたシミュレーション形式のFFであり、扱い的には外伝ということになるでしょうか。時代背景はちょうど中世、舞台はイヴァリースという国です。外国との戦争に負けて後、混迷する権力争いとその隙を狙って強大な力ですべてを支配しようとする別勢力——。そんな乱れた世の中の狭間を駆け抜けていった一人の青年が主人公です。と多分ここをお読みの方々はそんなことは知ってるぞーな方々が多いと思われますが、実際の歴史を参考にして作られている部分もあり、シナリオは重厚感が程よく漂います。ちなみにキャラは3頭身、ムービーはオープニングやエンディングなどですが、特にセリフはありません。

 ベイグラントストーリーは、2000年02月発売の……これは何ゲーなんでしょうね。アクションでタクティクスでRPGです。ATRPG? よくわかりません。単発で発売された作品であり、スタッフの方々いわく「B級映画のようなノリ」です。時代背景は近代、舞台はバレンディアという国です。とある事件をきっかけに、「魔」という不可思議な存在を巡る争いに巻き込まれていく「役人」が主人公です。登場する人数もストーリー自体もFFTよりはぐっと少ないですが、その分濃い世界観になっています。とはいえ、語られていないところを一生懸命繋げると「濃い!」とびっくりするくらいなので、なかなか大変ではありますが。ムービーはオープニングのみ、そのほかのイベントシーンはすべてポリゴンによるものです。荒いポリゴンですが(PSですし)表情がしっかりついているのでかなり画期的ではありました。FF12の技術のあちこちはベイグラントストーリーで培ったことがよく分かります。

 そしてFF12についてはもう語らずともいいかなと思いつつ、一応語るとするとFF12ことファイナルファンタジーXIIは、2006年03月発売のRPGです。久しぶりに発売されたパッケージのFFであり、RPGの王道という部分と最近のRPGにはない部分が混ざっているゲームです。時代背景は中世というよりは文明が栄えし頃(ただしFF7のような感じではなく、不可思議なる魔法も普通にある)、舞台はイヴァリースです。イヴァリースというのは国ではなく、ひとつの大陸・地域をさす言葉。主人公は一応ヴァンという少年ですが、実際にはパーティー全員が主人公といえるかもしれません。ともあれ、最近の作品ですのでこれくらいにしておきましょう。

 最後に、FFT-Aことファイナルファンタジータクティクスアドバンスについては、私も伝聞形なので説明をするのは控えさせていただきます。が、やはり考えてみるとFFT-Aはこれら四作品の中ではやや違った世界かなという印象が強いです。

 ということで、なんとなくではありますが図にしてみました。それがこちら。

FFT + FF12 + ベイグラントストーリー + FFTA

 「@IT」というサイトでよく出てくるような図になりましたが(?)、以前ベイグラントストーリーとFFTが同じ世界だったら?というテーマで書いたものを反映させております。つまり、「FF12とFFTとベイグラントストーリー」がひとつの時間軸に成り立ち、FFT-Aは少し離れたところにいるという考えたわけですが、FFT-Aは言ってしまえば「異世界巻き込まれ型」。となればFF12などの世界と同じではないかと考えることもできそうですが、私は「FFT-Aに出てくる異世界イヴァリースは、マーシュ達が読んだ本の投影結果」だと考えています。GBAという媒体故にFFT-AはFFTやFF12やベイグラントほど「リアル」でもなければ「シビア」でもない。その分、FFTほかにはない不透明さが満ち満ちています。また、村そのものが変わってしまったということからも「=FFTの世界」とはいえない部分があると考えられます。

 他の三作品についてですが、「FF12→FFT→ベイグラント」という時間軸で並べてみました。これは、FFTの中でよく「古代文明が滅びる前は飛空艇が空を飛んでいたらしい」とか「高度な古代文明」とかが物語の色として登場していたから。大体、ラスボスのマップ自体が「飛空艇の墓場」なのですから……とりあえずシュトラールではなさげですが。むしろバハムートチックですね、あれ。とにかく、FFTの中には「滅び去った古代文明」という記述がはっきりしている、そしてまたFF12とFFTのマップがおぼろげながら似ているということからもこの二つは同一時間軸にあると考えることができます。ただし、似ているといっても地形・気候は大きく異なっているため、現代とエジプト文明くらいには離れていそうではありますが……。その間には、いくつかの宗教の隆盛や国の成立・崩壊などもあるようです(ユードラ帝国など)。そうして、FF12で崩壊の始まった神秘の力(=破魔石)は、名を変え意味合いをも変え、聖石となっていった……そう考えることもできます。

 ついでにいえば、FF12にはゲートクリスタルなるものがあります。破魔石もあるし、十二星座の石(=聖石)もあるし、クリスタルもあるし……なんだかFFTのイヴァリースの人たちにとってはありがたみのない話かもしれません。

 一方、ベイグラントストーリーはFFTの大体400年後という位置づけにしています。これはベイグラント発売当時に打ち立てた妄想(?考察? FFTコラムをご参照ください)に基づくものですが、FFT-Aと同じくもしかするとFF12=FFTの世界は物語の世界で、むしろFFT-Aと同じような世界かもしれないと考えることもできます。ベイグラントストーリーの中でFFTを彷彿とさせるものは、主に「秘石やアイテムなどにつけられた名前(ex. 梟雄石=梟雄ハイラルの力を封じた青星玉)」「デュライ's メッセージ」などによります。特に前者はティンカーリップというアイテムにも登場する「十二宮物語」という名の物語もあるそうですから、もしかすると物語、よくても神話・伝説の類になっているのかもしれません。そうすると直接的には結びつかないともいえるのですが、デュライ氏のメッセージがかなりベイグラントチックなので今のところは時系列で並べております。

003 結びつけるふたつの要素

 以下、FFT-Aはいったん外します。FFT-Aにも登場しますよということなのですが…プレイしていないので何ともいえないことをご了承いただければ幸いです。

 ということで、結びつける要素……アイテムの名前とか小ネタとかはいっぱいあるFFTとFF12とベイグラントストーリー。FFTとFF12は直接びっくりするような結びつきはそんなには多くはあり……でもないか。あの人の名前とか名前とか。しかし、FFTのブレイブストーリーに記されていることの片鱗がFF12の世界に垣間見えるという点でひそかながら密接に繋がっているといえます。また、FF12とベイグラントでは、まず建築様式が似ていたり、それから戦闘の仕方が……いやそれは置いておこう、直接これも何かが似ているというわけではありませんが、その分だけ「空気で感じ取る」となんとなく納得してしまうふしもあります。もしかすると今この時代にメレンカンプが生きているかもしれない!と考えるとなんだかわくわくしてくるものです。

 しかし、この三つにはもっと直裁な結びつける要素があります。三部作だと思わせる要素があります。それがまずひとつめ、スタッフロール。FFTもベイグラントストーリーもFF12も吉田氏のセピア絵をバックにスタッフロールが流れていきます。この手法は三作品共通で、アルティマニアで氏も語っています。
 最初この吉田氏絵を見ながら優しく力強いスタッフクレジットをFFTで見たとき、どうしようもなく感動したものでした。クリアしたという感動がじわじわじわと沸いてきました。そして、もう少し見やすくてもいいのでは!と頭を抱えたりもしました。ちょっとFFTの絵は見難いんですよね。そして次のベイグラントストーリーでは、FFTに比べるともっとリアルでもっと切なくて……まず一枚目のシドニーを見ましょう皆さん!おでこアシュレイを見ましょう皆さん!という感じです(床ばし)。けして明るくない物語の最後にゆっくりと紡がれていく曲そして絵。スタッフロールまで楽しめる「映画」でありました。FFTと同じ手法をベイグラントのEDがとったとき、やはり床ばしした次第です。
 そしてFF12。前の二作品とは少し違って、設定絵ではなくしっかり描かれた「過去の絵」はもはやそれって反則技!というくらい素敵でした。と同時に、「ああこれって三部作なんだなあ」と思った次第です。FF12のスタッフロール絵、ご覧になった方ももう多いと思いますが、多分三作品の中で一番見やすいと思います。そして一番物語性が高いのもこれ…かな? 大好きです。って感想述べてどうする。

 もうひとつの結びつき要素は、音楽です。FFTとベイグラントとFF12には同じモチーフが使われています。FFTのブランドロゴやムービーでよく使われるメインテーマ(ファンファーレによくなっています)……「ぱーぱぱーぱぱーぱっぱっぱー♪」(分かります?)が、ベイグラントストーリーではシンコペーションにアレンジが加わり(FFTのシンコペをひっくりかえしたような感じ:スタッフロール4分くらいで登場します)、FF12のメインテーマは音程こそ違いますが、頭一音抜かすとFFTメインテーマの派生になります。ダイレクトに似ているわけではない、でもどこかで繋がっている。そんなふうに思ってちょっと(いやかなり)嬉しかったりもしたのでした。
 そして音楽でいえばFFTとFF12にはもうひとつ共通項が。FFTのスタッフクレジットの出だしをFF12の「希望」の出だしは踏襲しています。聞き比べてみて「うおー!」と一人やはり感動してしまいました。

 そのほか、やっぱり多いバル関連(バルフレアとかバルバネスとか何故かバル始まりが多い)だとか、お母さんが出ないとか、血なまぐさいところとか色々共通項はあります。けれども完全に同じではない。続編でもない。この距離感はそれぞれ単独で好きになる人にとっても、また、一緒に考えて楽しみたい人にとっても、心地よいものではなかったかと思う次第なのでした。

POSTSCIPT : 20060618 - 20060714

 以上、あれこれと語ってみました。思ったよりも長くなりましたが、ひとまずこれで終了。ああそれぞれもう一度エンディングが見たい…!